元ホテルオークラグループ総料理長・ムッシュ髙木シェフが教える料理の“いろは”、第7回目は、フライパンを使って皮はクリスピー、中はふっくらジューシーな鶏モモ肉のステーキを焼く手順をご紹介します。前回の「フライパンを使った肉の焼き方:牛ランプ肉のステーキ」と同様、ポイントはガマン!
また、今回も“寝かす”という工程がありますが、前回がキッチンペーパーを使ったのに対し、今回はアルミホイルを使ってふっくら仕上げる方法をお伝えいたします。
どうでしょう? パリッと感、ジューシー感が伝わりますでしょうか?
鶏モモは手頃な価格で購入できる食材ですので、ぜひレストランレベルの焼き方をマスターしてみてくださいね。とっても簡単に本格的な仕上がりのステーキが完成しちゃいますよ。
Lesson:フライパンで焼き上げる鶏モモ肉のクリスピーステーキ
- まず、鶏モモ肉の両面に塩コショウを振ります。直前にペッパーミルでコショウを挽くのもポイントですよ!
- 次に、キッチンペーパーを使い、フライパンにサラダ油を塗ります。
なぜ塗るのかというと、鶏モモ肉の皮に脂が含まれているため、サラダ油は少量でよいからなのです。油が多すぎると皮が焦げてしまうんです。ただ、ゼロでも難しいので”誘い油”として、薄く油を塗るのだそうです。
- そして、フライパンに火を入れる前に、鶏モモ肉の皮を下にしてフライパンに入れ、中火で火を入れていきます。
- あとは皮を焼いていくのですが、ここでガマン! 皮の表面温度が下がらないように、フライパンは動かしません。ただし、コンロは火の当たりが完全に均一ではないため、鶏肉を動かしたり多少回す程度ならOKです。
- 焼いていく過程で、鶏モモ肉の厚い部分は軽くフライパンに押し当てて均一に火が通るようにしましょう。
- しばらくすると、鶏の皮から脂が溶け出てきます。皮に火が通ってきた証拠です。
- しばらく焼いたら、端を持ち上げ焼き加減を確認しましょう。
- 焼き色が付いてきたら、裏返します。いい焼き色が付きました!
- 皮をパリッと焼き上げたら、あとはフライパンを動かしてOKです。モモの厚い箇所に火が当たるように、厚い部分をフライパンに押し当てて火を通していきます。
- 皮と肉の間の焼加減を確認して、火が通っていればグリル完了です。
- ここから”寝かし”の工程です。焼きあがった鶏肉をアルミホイルの上に乗せ、皮以外を包みましょう。こうすることで、鶏肉の中にもじんわり火が通ります。
- そして、上にキッチンペーパーを置いてふたをして、30~40秒ほど寝かせます。
皮の部分をアルミホイルで覆わない理由は、せっかくクリスピーに焼きあがった皮がしんなりしてしまうからなのです。一方で、身の部分はアルミホイルで包むことによるスチーム効果で、ふっくら仕上がるんです。
- “寝かし”が完了したら、皮を上にしてスライスすれば完成です!
どうでしょうか? とっても簡単ではないでしょうか?
外はパリッ、中はふっくらジューシーの味わいに、スタッフの安藤さんもこの驚き。
フライパンでこんなに美味しく焼けると思っていなかったです……。(安藤さん)
皮をパリッと仕上げるコツは、フライパンを動かさないこと! ガマンです。
そして、最後のアルミホイルの”寝かし”で、ふっくらジューシーに仕上がるんです。
ちょっとしたコツで、誰でも簡単にプロ級のステーキに仕上がるんですね!
ぜひぜひ、みなさんも試してみてくださいね。
次回は、フライパンを使った肉の焼き方:鶏胸肉のソテーをお届けします。時短、失敗しないコツもご紹介しますよ。
お楽しみに!
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ムッシュ髙木の料理の基本(だし・ソース・ドレッシング編)
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髙木裕美知シェフ(ムッシュ髙木)プロフィール
1953年、北海道・旭川生まれ。元オークラアカデミアパークホテル総支配人兼総料理長。元グァムホテルオークラ「フランボヤン」料理長、元ホテルオークラ東京レストラン「カメリア」副料理長。天皇皇后両陛下や皇太子殿下宿泊の際は料理責任者を務める。ムッシュ高木は、素材の声に耳を傾け、「食事の喜び」をテーマに料理を創る。使う食材はフレンチでも、薬膳料理のようにお箸でも食べられる。翌朝の目覚めがとても健やかな「毎日食べたくなる、からだにやさしい食事」だ。庶民的感覚も持ち合わせ、飾らないユニークなキャラクターでも人気を博している。食を通したオリジナリティ豊かな発想で“闘うシェフ”とも呼ばれる。 →もっと詳しいプロフィールへ
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