元ホテルオークラグループ総料理長が教える料理の“いろは”、第二回目は、野菜の切り方です。よく使う野菜を例に、様々な切り方をご紹介します。
ちょっとしたコツや、用途に応じた切り方を楽しくお勉強しちゃいましょう!
Lesson1:扇切り
まずは、大根の切り方からスタート!
味噌汁の具として定番のお野菜ですが、メジャーな切り方は扇切りと拍子(木)切りの2つではないでしょうか?
では扇切りの手順からお勉強♪
大根の扇切り
- 適当な長さにカットし、皮をむいた大根を半分に切ります。
横にして半分にカットします。
- さらに半分にカット(つまり1/4にします)。
1/4にカット。
- 手順2で1/4にカットした大根を起こし、薄く切っていきます。
扇の形になるので、扇切りといいます。いちょうの葉にも似ているので、いちょう切りとも言いますよね。
写真では1/2にカットしているように見えますが手順2で1/4にカットしたものを同時にスライスしているため、最終的には扇型・銀杏の葉の形に切れます。
Lesson2:拍子(木)切り
では、次に拍子(木)切りです。
拍子は”ひょうし”と読みます。4拍子、3拍子と音楽で使う言葉ですね。そして拍子木とは、拍子を取るために使う、打ち合わせて鳴らす長方形の小さな木のことで、お祭りや火の用心の掛け声などによく使われますよね。この拍子木の形のように切ることを拍子切り、あるいは拍子木切りと言うのです。

拍子木
今回は、ムッシュにならい「拍子切り」と記載しますね。
では切り方です!
大根の拍子切り
- 扇切り同様、適当な長さにカットした大根を、1~2㎝程度の板状にスライスしていきます。
- 板状にした大根を横にして重ね、同じ厚さにカットして棒状にすれば完成です!
ちょっと分かりにくいですかね…。人参を例に、別の画像でもご紹介します。
人参の拍子切り
- 縦に厚く切り、板状にします。
- 板状にした人参を横に寝かせて棒状になるようにカットしていきます。厚さは料理に応じて変えてOKですよ!
ワンポイント! ~文明の利器に頼りましょう!~
ご家庭にスライサーがあれば、それを活用してもいいんです。ちょっと厚さの調整は難しいかもしれませんが、均一に、安全にカットすることができますからね。包丁だけでやろうとしないでいいんです。(ムッシュ高木シェフ)
スライスした人参を縦にカットすれば拍子切りになりますよ。
Lesson3:玉ねぎのくし切り
お次も基本ではありますが、覚えておくと“デキる感”をアピールできる(かもしれない)切り方、くし切りです。
これは、円形の野菜や果物を半分にカットし、中央から均一に切り分ける切り方です。よくリンゴなどがこの切り方で切られますね。切った形が櫛(くし)に似ていることからこの名前が付けられたのだそうです。
玉ねぎの場合は、ちょっとしてコツがあるんですよ。
では手順を見てみましょう。
- まず、玉ねぎの頭とおしりを切り落とします。
- 次に、玉ねぎの皮に小さく切り込みを入れ、皮をむきやすくします。
- この切り込みから皮をはがします。
- 皮をはがしたら縦に半分にカットします。
- 半分にしたら玉ねぎの真ん中の部分を手で取り除きます。
- あとは、放射状に均一に切り分けていけばOKです!
ラタトゥイユの作り方でも紹介していますが、一連の流れはこのようになります↓
次回は、野菜の切り方:乱切りをお届けします。同じ大きさに野菜を切りそろえる乱切りのコツをご紹介~♪
お楽しみに!
ムッシュ髙木の料理の基本
- 【料理の基本1】立ち方、まな板の置き方、包丁の持ち方
- 【料理の基本2】野菜の切り方 (大根/人参/玉ねぎ): 扇切り・拍子切り・くし切り
- 【料理の基本3】野菜の切り方(アスパラ/人参) : 乱切り
- 【料理の基本4】野菜の切り方(玉ねぎ):プロのみじん切り
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ムッシュ髙木の料理の基本(だし・ソース・ドレッシング編)
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髙木裕美知シェフ(ムッシュ髙木)プロフィール
1953年、北海道・旭川生まれ。元オークラアカデミアパークホテル総支配人兼総料理長。元グァムホテルオークラ「フランボヤン」料理長、元ホテルオークラ東京レストラン「カメリア」副料理長。天皇皇后両陛下や皇太子殿下宿泊の際は料理責任者を務める。ムッシュ高木は、素材の声に耳を傾け、「食事の喜び」をテーマに料理を創る。使う食材はフレンチでも、薬膳料理のようにお箸でも食べられる。翌朝の目覚めがとても健やかな「毎日食べたくなる、からだにやさしい食事」だ。庶民的感覚も持ち合わせ、飾らないユニークなキャラクターでも人気を博している。食を通したオリジナリティ豊かな発想で“闘うシェフ”とも呼ばれる。 →もっと詳しいプロフィールへ
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